プレスリリース
BRAUN

2008年8月12日

このプレスリリースは、同日付で「ディーター・ラムス展実行委員会」より、配信されたプレスリリースです。

純粋なる形象

ディーター・ラムスの時代−機能主義デザイン再考

サントリーミュージアム[天保山][2008年11月15日(土)〜2009年1月25日(日)]、東京・府中市美術館[2009年5月23日(土)〜7月20日(月)予定]では、「純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代‐機能主義デザイン再考」を開催します。

1955年以来、ブラウン社(BRAUN)において40年以上にわたり500を超える製品をデザイン・監修してきたディーター・ラムス。彼の手がけたプロダクトは、機械化大量生産の時代とともに誕生し、その革新を支えてきたインダストリアルデザインの歴史のなかにあっても、ひときわ特別な存在感を放ってきました。バウハウスやウルム造形大学に象徴される機能主義的なドイツデザインの精神をラムスが継承したように、21世紀の現代においてなお彼の精神は世界中で受け継がれています。また、彼の活動において特筆すべきは、ひとりの企業人として、製品の企画から設計、製造、さらに広告にいたるまで、あらゆる開発プロセスと密着しながらデザインのあるべき姿を模索した点にもありました。
このデザイン展においては、ラムスのデザイン哲学を解明するうえで貴重となる、製品はもちろん日本初公開のスケッチやプロトタイプ、モックアップなど300点を超える資料とともに、その背景となった幾多の歴史的デザインや美術作品もあわせて展示。3つの展示テーマと7つの展示セクションにより、たんなるディーター・ラムス回顧展にとどまらず、20世紀における「モダニズム」「近代化」の潮流を概観する内容となっています。企業も、人も、だれもが加速度的に駆けぬけた歴史をあらためて振り返るとき、21世紀に生きるわれわれ消費者あるいは生産者にとっての、デザインの内包する課題と可能性が明瞭になることでしょう。

ディーター・ラムス(DieterRams1932年生まれ)

職人であった祖父の影響から建築とインテリアデザインを学んだラムスは、1955年ブラウン社に入社し、61年からはデザイン部長としてチームを牽引。VITSŒ社のユニバーサル・シェルヴィング・システムといったプロジェクトでも国際的に高い評価を獲得しました。40年以上におよぶ活動のなか、つねに「良いデザイン」の実現に誠実であろうとした彼のデザインは、近年、国際的に再評価がすすみ、現在第一線で活躍するデザイナーや各国メディアから大きな注目を集めています。

開催概要

  • 展覧会名:純粋なる形象
    ディーター・ラムスの時代‐機能主義デザイン再考
    Less and More‐The Design Ethos of Dieter Rams

  • 会期・会場
    大阪展:サントリーミュージアム[天保山]2008年11月15日(土)〜2009年1月25日(日)
    月曜日休館(但し、11/24、12/29、1/12は開館)
    東京展:府中市美術館2009年5月23日(土)〜7月20日(月)(予定)

  • 主催
    大阪展:サントリーミュージアム[天保山]、日本経済新聞社
    東京展:府中市美術館、日本経済新聞社

  • 後援
    大阪展:大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館、大阪府、大阪市、大阪市教育委員会
    Rat für Formgebung / ドイツ・デザイン・カウンシル、(財)日本産業デザイン振興会
    (財)国際デザイン交流協会、(社)日本インダストリアルデザイナー協会
    (社)日本グラフィックデザイナー協会、(社)総合デザイナー協会
    東京展:ドイツ連邦共和国大使館、ほか
    協賛:BRAUN
    協力:ルフトハンザ ドイツ航空、ルフトハンザ カーゴ AG、VITSŒ
    助成:フランクフルト市文化・科学局、ifa(Institut für Auslandsbeziehungen e. V.)
    (財)野村国際文化財団、(財)ユニオン造形文化財団
    企画協力:BRAUN GmbH、Archiv Dieter Rams、ホンダ・インターナショナル

展示テーマ1

デザインの素因数。

現代になお不変の価値を提示する、極限の思想とフォルム。

「Less but better__より良いデザインとは、より少ないデザインである」とディーター・ラムス自身が語るように、彼のブラウン社における数々のプロダクトデザインは、いずれも要素を極限まで削ぎ落としたかのようにシンプルであり、それゆえに調和的で深遠ともいえる美しさをたたえています。数学でいう素因数のような、これ以上は分割することのできない純粋性をもつディテールを、ストイックなまでに整然とした集中力で構築する。その誠実な創作精神は、戦後デザインの価値基準を決定づけ、いまなお世界中に影響を与えつづけています。
このセクションでは、ラムス・デザインの基盤となった機能主義デザインの歴史的な文脈を振り返りつつ、彼の手がけたプロダクトが20世紀という時代のなかでどのように位置づけられるかを、豊富な資料展示によって検証します。

展示セクション

ディーター・ラムスによる<デザイン10ヵ条>

ラムスのデザイン哲学を象徴するものとして、彼による<デザイン10ヵ条>があります。
ブラウン在籍時に、デザインチーム全体の指針として掲げられたこのポリシーとともに、今回の展覧会はスタートします。

機能主義デザインという文脈

ここでは、ラムスの手がけた製品群を中心に配置し、
その周囲を時系列によって整理されたデザインや美術作品で取り囲むことによって、
20世紀初頭からのデザイン動向を俯瞰しつつラムス・デザインの位置づけを再確認します。
さらに、ラムス以前から以降に至るブラウンのプロダクトを展示し、
戦後ドイツデザインの状況とブラウンの試みを探ります。

現代におけるディーター・ラムス

ディーター・ラムスが最前線で活動していた20世紀後半と現代では
工業デザインの置かれている立場が大きく異なるものの、
現代のプロダクトにもラムスの精神を継承した存在が数多くあります。
時代の最先端を行くさまざまな製品たちのなかで、いまなお共鳴し続けるラムスの思想を検証します。


展示テーマ2

企業デザインの価値。

ブランド価値を向上させる、コミュニケーション戦略の先駆。

ディーター・ラムスの手がけたプロダクトにおいて造形とは、たんなる美的要素ではなく機能を表現することでもありました。たとえば「音量調節」という機能において、それを操作するためのパーツはどのようなフォルム、サイズ、ポジションであるべきかを、エンジニアたちとの密接なコミュニケーションによって深く検証し、いわばテクノロジーの翻訳者として彼は活動したのです。さらに、製品をとりまくパッケージやパンフレット、広告メディア、そしてCIにいたるまでトータルにコントロールするというコミュニケーション・デザインの先駆であり、その独創的な手法によって世界有数のブランド企業へ成長した当時のブラウン社において、ラムスは重要なポジションを占めるスタッフでもありました。
戦後復興の中で早期から近代的なプロダクトデザインのあり方を模索していたブラウン社の企業思想と、入社後すぐに頭角を現してデザインチームを統率していったディーター・ラムス。その経緯から、企業デザインのあるべき姿、あるべきプロセスを再確認します。

展示セクション

企業をデザインする_エルヴィン・ブラウンの挑戦

1951年に創業者である父の後を、兄であるアルトゥールとともに継いだエルヴィン・ブラウン。
製品デザインの変革をめざした彼は、フリッツ・アイヒラーやヴァーゲンフェルトの協力を仰ぎ、さらに
ウルム造形大学のハンス・グジェロとオトル・アイヒャーを加えたデザインチームを結成。
1955年のデュッセルドルフ放送展で世界に衝撃をあたえました。
エルヴィン・ブラウンが求めた企業におけるデザインの理想と、それを具現化した
デザイナーたちの成果をここでは展示します。

ブラウン・デザインチームの奇跡

1956年に設立された、ブラウンのインハウス・デザイン部門。
1955年に入社したディーター・ラムスは、すでに61年からリーダーとしてチームを牽引していきます。
チームとしていかにデザインの質を高め、それを維持するか。
ここでは、ラムスとともにブラウン・デザインを磨き、育てていったデザイナーたちとそのプロダクトを紹介し、
匿名性の高いインハウスデザイナーとして職務を追求した彼らの仕事に迫ります。


展示テーマ 3

日常のデモクラシー。

調和と責任。大量消費社会におけるデザインの民主主義。

ディーター・ラムスのデザインにおいて一貫しているのは、彼がつねに、使う人の視点から製品を見つめつづけたことにありました。高度化する技術の代償として複雑化していく、電気製品という日常的な“道具”たちを、いかに簡単に、いかに使いやすく表現するか。第二次世界大戦後のドイツにおける民主化と歩調をあわせるかのように、デザインの民主主義を実践していったのです。また、彼のデザイン哲学は、大量生産社会と表裏をなす大量消費社会における責任の自覚も人々に促しました。良いデザインとは恒久的である、良いデザインは環境に優しい、というラムスの掲げた原則は、デザイナーのみならず、製品を選択する消費者にも成熟した行動基準を要求する、環境問題意識の高い視点だったといえるでしょう。
ブラウン社における製品群やVITSŒ社でのユニヴァーサル・シェルヴィング・システムなど、このセクションではディーター・ラムスが理想とした生活環境あるいは社会環境のヴィジョンを具体的な製品群として展示。書斎からキッチンまで、あらゆる日常風景に新たな価値を提案してきたラムスの軌跡を一覧できます。

展示セクション

BRAUN×RAMS_理性としての感性

オーディオ製品を中心にしたエリアと、それ以外の電化製品を中心にしたエリアを通じて、
ディーター・ラムスのコンセプトや哲学に準じたテーマを設け、その仕事を一望します。
スケッチやモックアップなどを活用して、さまざまなマテリアルやディテールが、
製品化までにどのようにブレイクダウンされたか、デザイン精神がどのように反映されていったかにも注目します。

VITSŒ×RAMS_消失への欲求

ディーター・ラムスによるユニット家具の傑作である《606ユニヴァーサル・シェルヴィング・システム》。
シェルフに書籍が設置されたとき限りなく消失に近づくフォルムは、
as little design as possibleという、いわばデザインからの解放を目指すデザインともいえます。
ここでは、この《606ユニヴァーサル・シェルヴィング・システム》をたんなる
作品ではなく「展示什器」として実用し、シェルフの本来の機能や魅力を伝えます。


  • 入場料金
    ギャラリー入場料
    大人 当日1,000円_前売900円
    高・大学生、シニア 当日700円_前売600円
    小・中学生 当日500円_前売400円
    前売チケット:2008年10月15日(水)
    電子チケットぴあ(Pコード:688-316)、
    ローソンチケット(Lコード:55475)ほか、
    主要プレイガイド、コンビニ、イープラスなどで発売。
    障害者手帳、療育手帳などをご提示のお客様と
    付き添いの方1名は当日料金の半額

  • アクセス
    地下鉄中央線「大阪港」駅下車徒歩約5分
    大阪市バス(大阪駅88系・なんば60系)天保山下車徒歩約3分
    阪神高速道路(大阪港線・湾岸線)天保山出口より車約5分
    ユニバーサルシティポートとの間はシャトル船で約10分

  • 駐車場
    ミュージアム地下・公営駐車場(有料:30分180円)
    天保山ハーバービレッジ駐車場(有料:30分180円)
    一般お問合せ

  • サントリーミュージアム[天保山]
    〒552-0022大阪市港区海岸通1-5-10 
    http://suntory.jp/SMT/
    TEL:06-6577-0001
    FAX:06-6577-9200

  • 広報に関するお願い
    掲載記事・番組内容について、
    日時・会場・電話番号などの基本情報確認のため
    ゲラ刷り、原稿を下記「ディーター・ラムスの時代展係」まで
    必ずFAXをお願いします。

  • 広報に関するお問合せ
    サントリーミュージアム[天保山]
    「ディーター・ラムスの時代展係」(神谷・木下)
    〒552-0022大阪市港区海岸通1-5-10
    TEL:06-6577-0006
    FAX:06-6577-9200

※なお、東京展につきましては、後日発行予定のリリースをご覧いただくか、
東京・府中市美術館(042-336-4856 担当:成相なりあい)までお問合せ下さい。

 
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